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わらにもすがるような気持ち |
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『どうやっても良い音で鳴らないんです!・・・』。
ある種の悲鳴にも似た電話を頂きました。
『ネット上で腕の良い音のプロフェッショナルを探していると、
「カイザーサウンド」に自ずと行き着いた』と仰るのです。
その時に、『自分の希望とする音を作ってくれるのはこの人しかいない!』。
そんな風に思われたのでしょうか?。
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機器の購入とセッティングは全く別の買い物?! |
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ラインナップを伺うと、どう見ても揃えては崩しを数回はしたであろうと思えるようなシステムです。しかし、詳しくお尋ねすると初めて揃えたセットだというのですから私は驚いてしまいました。今回はオーディオの初心者にもかかわらず、30年選手が辿り着くようなシステムを薦められるままに揃えたというビックリするようなお話です。
声からすると30歳前後、こんな高価なシステムを購入出来るのは金持ちのボンボン以外には考えられません。でも実際にはそうではなく、人一倍頑張って働いて手にした収入で買い揃えたという涙ぐましい部分が隠れていたのです。
どうせ先で買い換えたくなるのは分りきっているので、そうならない為にも思い切って最高級の物を薦められたそうです。分らないでもないですが、それにしても今回のケースは免許取立てのドライバーにいきなりフェラーリを売るようなものです。私には到底出来ない芸当です。こんな話を聞いたらもう一人の私である、お助けマンが登場してくるわけです。
クリニック及びセッティングの費用は決まりがあってないような部分があります。同じ時間を掛けたとしても20〜30万円の入門クラスではそんなにお金を貰うわけにはいきません。元の値段が低い場合には中々請求出来にくいものなんです。
今回のシステムは定価にすれば約700〜800万円ぐらいにはなるでしょうから、値決めの材料を1/100を目安に「8万円の基本料金で如何でしょうか?」と提案申し上げました。このようにケースバイケースで相談の上決めさせて頂いております。ただし実際には旅費交通費も掛かりますので、私が東京、広島間を月に1回往復するタイミングに合わせて頂く事が可能ならば、その費用は今回特別に無しで構いませんとなったのです。その後、部屋の写真を添付したメールのやり取り等を何度か繰り返しながら、話しは少しずつ着実に進んで行きました。
街中の渋滞に巻き込まれて車が動かなくなると、徹夜で運転した強行スケジュールがたたって少しずつ睡魔が襲ってきます。その上、午前中にもう既に1件仕事をこなして来ているのですから、全くもって無茶としか言いようがありません。
約束の時間に30分ほどの遅れで到着です。奥さんのお出迎えを受け、案内されたオーディオの置いてある部屋は20畳位はありそうなLDKです。大型プラズマテレビに100インチスクリーン、映像も楽しんでおられるようです。ゴールドムンドのCDプレーヤーと○○ミュージックの高価なユニヴァーサルプレーヤーが使い分けてあります。
○○と書いたのはご本人さんの意向で、詳しい機種の説明に関しては控える形でウェブへの掲載はお願いしたいというご意向ですので、その点は悪しからずご理解頂きたいと思います。揃えておられる機種は総じてデザインがスッキリした一流ブランド品を中心に組まれてあります。
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初めの第一歩が肝心 |
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クリニックに当たって、今現在の音をどのような傾向の音にして行きたいのか希望を述べて頂きます。
『もう少し熱く濃い音にして欲しい』。
『それでいて、フォーカスが甘くならないように出来ますでしょうか?』。
「それは、うちが一番得意としている音作りですから、その点はご安心下さい」。
「ただハッキリ申し上げて、このシステムの特徴は清楚で上品で知的な音が特徴ですから、
”熱く濃く”という傾向の音とは正反対のモノである事はご承知おき頂きたいと思います」。
このラインアップであれば、仰るような欲求が出て来るのは当然といえば当然でしょう。
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実際に行う音のすり合わせ |
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「何はともあれ、一先ず音をお聞かせ頂きましょうか?」。
何が、どうなって、今の音になっているのか?。
30秒ほど聴くと音の傾向は把握出来ます。
よく分りました、思った通りの音でした。
今のこの音では熱く濃い音が欲しくなるのはごく自然な姿です。
「これから音の骨格を成す基本のデッサンをご覧入れますから、
傾向として希望する方向にあるかどうかだけお聞かせ頂けますか?」。
スピーカーの位置を奥に何センチ、外に何センチ動かすか?、
息子の出した答えを元に、左のスピーカーを彼が、そして私が右を動かします。
大体ですが、スピーカーと部屋の位相を揃えました。
普段使っている言葉で言いますと、「カイザーウェーブ」に乗せる作業です。
「これで今の曲を改めて聴いて頂けますか?」。
「如何ですか?、好みの方向に変化しましたでしょうか?」。
『はい、すごく良い方向に変わりました』。
セリーヌ
ディオンの声だろうと思うのですが、
先ほどと違って下腹に力が入ったような声の出方に変化しました。
『何より、アンプのボリュームの位置が違います』。
「そうですよ、無駄無くエネルギーが取り出せてる証拠なんです」。
この時点で当社が出そうとしている音と、H.Iさんが希望している音が同じ方向に向いているという事が粗方確認出来ましたので、思う存分仕事を前に向かって進める事が出来ます。この最初の作業でつまづきますと、後々にお互いの感性にズレが生じ上手く行かないケースが出て来るからです。
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システムに応じた具体的なクリニック |
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次に息子が打った手は、スクリーンを固定する為に床と天井につっかい棒の形で固定してある金属性ポールのネジの締め付けトルクの調整です。これは私達も初めて出くわす物なんですが、床の振動がダイレクトに行き来する厄介な存在です。これが都合の良い響き方をするように決めておかない限りは不愉快な共振を発生しかねません。
パイプを指のスナップで弾きながら音の和音調整をとっております。全ては耳で行う作業です。それにしても行った先々でいつも新しい調整術を披露する息子です。これとて今の今初めて行う術であります。これにはさすがの私も感心せざるを得ません。
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鶏が先か?卵が先か? |
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不要な振動を取ると謳われた素材の特質が売りのインシュレーターを目にしますが、「不要な振動」と「必要な振動」を、そもそもどのように識別した上で、不要な部分だけを取り除くのか?という疑問が湧いてきます。そんな芸当は恐らく物理的に不可能でしょう。それは音を聴いた上で感じる事であります。もちろん不要な振動を取っているのも確認出来ますが、美味しいところを同時に無くしていっているのも認識してしまいます。
この点における一番重要な事は、最初から不要な振動が発生しないようなセッティングをする事の方が優先順位が先であるべきです。発生してしまった問題の原因究明よりも、その後の解決方法に目が行ってしまっているのです。不要な共振が発生するようなセッティングである限り、不要振動減衰を謳ったインシュレーターが重宝がられるのです。
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インシュレーター開発には、正確な音をイメージ出来る心眼力が必要 |
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ここで明確にしておきたい事は、それらのアクセサリーの良し悪しを言うよりも、その元のセッティングにこそ問題があると言いたいのです。
仮にアクセサリーメーカーのモニタリングシステムそのものに不要共振が発生しているコンディションであったとするならば、当然それらの素材で出来たインシュレーターを使う事により好結果が出たと判断するのは間違いではなく、むしろ正しいとさえ言えるかもしれません。
もっとも、上がる効果と副作用の天秤の結果判断にはなりますが・・・。
では何が間違っているのか?・・・。
それはやはり、モニタリングシステムのセッティングそのものに問題があると断言します。
臭い匂いを消す為の物を使うより、
臭い匂いが発生しないように工夫するのが本道でしょう。
その強い信念があったからこそ、
良い音を手に入れる為のお手伝いをする「カイザーゲージ」が誕生したのです。
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真の意味のノンカラーレーション |
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ローゼンクランツのインシュレーターは不要な振動を取るのではなく、
音楽信号を最大限取り出す事に注力しております。
その結果として不要な共振が発生しないのです。
これは副産物のようでありますが、
表裏一体の関係にあり、
両立するのが当たり前であり、必然であるのです。
それこそが「カイザー流」なのです。
会心の当たりでホームランになった時には手に不要な共振はありません。
バットの芯を外した時(特にグリップに近いに根元に当たった時)に不要共振を手に感じます。
そうです、最大エネルギーが取り出せていない時に不要共振は発生するのです。
1/100ミリ波動コントロールを採用した、ローゼンクランツの「歯と歯茎構造のインシュレーター」はノンカラーレーションを約束いたします。それでも音にキャラクターが発生したと感じるようであれば、その機材やシステムに内在していた問題点が露呈されたと考えて頂いて構いません。
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最大のエネルギーを取り出すスパイク受けPB-JRU(H) |
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スピーカーのスパイク受けにPB-JRU(H)を導入。こればかりは試聴という形ではなく最初からこれが無い事には音を作れないので買って頂く事を承諾して頂いた上でセットしました。装着した後の音はやはり見込み通りで、スピーカーが物凄い能力を発揮し始めました。
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スピーカーアタッチメントの試聴 |
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スピーカーケーブル、ジャンパーケーブル共に初めて見る物ですが、何より無茶苦茶硬いので結線が思うように出来ないのです。線材の方向とY端子や防振材の合計によって最終的な方向性が決まるので、必ずメーカーの言う方向が合っているとはいえません。
そうした事を見込んで繋ぎ直したい物もありましたが、どうにも曲がらないので仕方なく私が思う方向性の結線は出来ないままスピーカーアタッチメントの試聴をしてもらいました。また、このシステムの特徴は左の部分が右に比べて優秀なのが多く、わずかに左のレベルが大きいのです。そのレベル差を調整する為にY端子の重ねる順番とかをワザと変えたりする結線方法を今回は敢えて採っております。
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本当にありがとうございました。 |
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----- Original Message -----
From:
<H.I>
To: <info@rosenkranz-jp.com>
Sent:
Wednesday, July 14, 2004 12:07 PM
Subject: Re: Re: 本当にありがとうございました。
貝崎様、当日は本当にお疲れさまでした。
結果から申し上げますと・・・文句無く大満足です!
自分なりにかなり追い込んだセッティングをしたつもりでしたが、
プロの技術を見せつけられる結果となりました。
ステージが無限大に広がり、なのに音のフォーカスは全然甘くない!。
本当に魔法のようです。
以前は部屋の広さなりの音の広がりでしたが、
クリニック後は部屋の広さなどと言う概念が全くなくなりました。
ここまでで充分満足していたのですが
SPのインシュレーターを変えたらさらに良くなりビックリ!。
とくに低域の出方とキレが尋常じゃない!。
SPがまるで別物!。
さらに欲を出してSPアタッチメントを取り付けていただいたら・・・・・.
もう言葉では表現できませんね。
心にダイレクトに届く音楽が流れています。
毎日音楽を聴くのが本当に楽しいです。
心からお礼申しあげます。ありがとございました。
お体に気を付けてこれからも頑張って下さい。
それではまた。
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